adish intelligence

アディッシュ株式会社のエンジニアブログです。

運用フローまで考えるということ

前回の記事から1ヶ月空いてしまいましたがこんにちは。井上です。 今回は開発運用を行う雪風チームのメンバとしての、運用にまつわるお話を1つ。

良くない善意

「善意」って基本的にポジティブな捉え方をされることだと思いますが、長い目で見ると悪であることがあります。あくまで「ことがある」です。全ての善意が悪なわけではないです。 例えば、特定の曜日にゴミ回収日が設定されているわけですが、収集車が去った跡のゴミ置き場はいつもゴミが散らかって汚いとします。見かねた近くのとある住人が「善意」で毎回掃除するようになった。 有り難いことなので同じ地域の人は感謝します。「ありがとう」の声も掛ける。

良い話のようですが、これは長い目で見ると「良くない善意」となる場合があります。見方を変えればその人の自己満足と承認欲求のために掃除しているようなものだからです。

何故これが「良くない」かと言うと、「ゴミ収集車が去ったらあの人が掃除してくれる」のがあたりまえになってしまい、同じ地域の人はそれに甘んじる。しかし、その掃除をしてくれる住人が引っ越しをした途端、ゴミ置き場が汚くなってしまう。或いは、その人の生活スタイルが変わり掃除出来なくなると、その人が「なんで掃除してくれないの!?」と糾弾されてしまうことが想定されるからです。

この住人は「自らが掃除する」ではなく「収集車が去った後に掃除をする運用が廻る仕組みを作る」ことをする方がモアベターですね。 (基本的に各地域のゴミ置き場は自治体でそうした動きをしていると思いますが)

コレはそうした人を貶めるための記事ではありません。 「良くない善意」を行うことだけが悪い話ではなく、その善意に甘えてしまうことも悪い話なので。その善意が行われている、と知った時点で仕組み化を進めるべきです。 知らなかったら何も出来ないのですが。 「ゴン、お前だったのか。いつも掃除をしてくれていたのは」

ちょっと違う話かもしれませんが、これらは「当たり前を当たり前にしない」ための考え方だと思います。

実際にあった例

運用を行うAさんが、ブラウザに組み込むuser scriptを自分で組んで、とある部分の作業の効率化をしていました。運用メンバに配布して皆で使ってもらうことで効果も大きく重宝されていました。しかしその情報を把握しているのはAさんしかおらず、Aさんが辞められた後に「あの機能が動いていない。どうなっている?」と引き継ぎがされていないことも発覚。慌てて対応を行うことになりました。

Aさんは「自分でメンテするから大丈夫」と考えていたのでしょう。

運用化する

これらの善意を運用に落とし込むのは、属人化を排除するということでもあります。また運用フローに落とし込む方法はドキュメント化することをはじめ、たくさんありますし、どうやっていくべきかの話は別にありますね。ただ一方でそうした運用が行われていることに気付くことがなければ難しい点であることも事実です。

人のふり見て

他人の事例での話になってしまいましたが、自分自身気付かないところでこうしたことを行っている可能性があります。お互い指摘していければ良いですね。

この記事書きながら、自分の背中にブーメランが刺さりまくってる気がします。